西条市では、市民の将来の健康づくりやライフデザインを支えるため、「フェムテック」の視点を取り入れたプレコンセプションケアの普及啓発に取り組んでいます。
今回はその一環として、花王サニタリープロダクツ愛媛株式会社で行われた出前講座を取材しました。講師は、一般社団法人四国フェムテック協会の田村恵美さん。テーマは「誰もが働きやすい職場づくり〜女性の健康課題をきっかけに〜」です。

男性がフェムテックについて学ぶ理由
花王サニタリープロダクツ愛媛では、工場で働く女性の割合は10%未満で、グループリーダー以上の管理職も現在は男性が中心です。一方、花王全体では女性社員の割合が高く、女性が活躍する職場も広がっています。だからこそ、男性が多い工場でも女性特有の健康課題について知り、知識や感覚をアップデートしていくことが大切。今回の講座は、女性のライフステージごとの健康課題を学び、今後の職場づくりやマネジメントに生かすことを目的に開催されました。

ライフステージによって変化する、女性のからだ
フェムテックとは、「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた言葉。女性特有の健康課題をテクノロジーやサービスでサポートする取り組みです。また、プレコンセプションケアとは、自分の体を知り、自分らしく健康に生きるための知識を持つこと。月経や妊娠・出産、更年期などについて知ることも、その一つです。
講座では、月経や妊娠・出産、更年期など、女性のライフステージごとに起こりやすい体調の変化について紹介されました。症状やその程度は人によって異なり、強い眠気やめまい、腹痛などによって集中力が低下すると、仕事中の確認漏れや判断ミス、転倒などにつながることもあります。田村さんは、女性だけでなく男性にも体調や加齢による変化があることに触れ、誰もが安心して声を上げられる環境づくりの大切さを伝えました。

「相談してもいい」と思える職場に
後半には、「毎月決まった時期に体調を崩す社員が、誰にも相談していないのはなぜ?」「制度や相談窓口があっても利用されないのはなぜ?」といったケーススタディを実施。参加者同士で意見を交わしながら、自分たちの職場に置き換えて考えました。
さらに、妊娠中のお腹の重さを再現した器具を身につける「妊婦体験」も実施されました。大きなお腹で座ったり、歩いたり、靴下を履いたりしてみると、体験者は思うように体を動かしにくいことに驚いていました。今回の講座を通して「日々、奥さんをもっと労いたい」という感想も聞かれました。

女性の健康課題について知ることは、女性だけのためではなく、誰もが安心して働ける職場を考えるきっかけになります。「体調について話してもいい、相談してもいい」と思える職場にするために、一人ひとりに何ができるのか。身近なところから職場の「健幸」を考える時間となりました。
